離婚をして、女手一つで子供を育てながら生活していくシングルマザーにとって、「お金」の問題は切っても切れない悩みです。

シングルマザーのお金の悩みの中でも、最も関心をひくのは「養育費」についてです。

新しいパートナーと出会い、再婚を考えているシングルマザーにとって、

シングルマザー
再婚したら養育費は貰えなくなるの?

という疑問は、とても重要な悩みです。

結論から言うと、再婚したからといって元夫からの養育費が必ずしも減額されるわけではありません。

養育費減額のポイントは、養子縁組の有無です。

今回は、シングルマザーが知っておくべき養育費の基本から、再婚した後の養育費の扱いまで、わかりやすく徹底解説します。

シングルマザーの養育費の貰い方について

まずは、これから離婚をしてシングルマザーになる方に向けて、養育費のもらい方について解説します。

そもそも養育費とはなんなのかというと、離婚する夫婦に未成年の子供がいた場合、その子供を育てる側の親(親権者)が子供を育てていくためにもう一方の親(非親権者)から支払われるお金を養育費と言います。

ただ、重要なのがこの場合の養育費として支払われる金額というのは、子供が最低限暮らしていけるだけのいわゆる「扶養義務」に基づく費用ではなく、それよりもさらに上の内容を盛り込んだ「生活保持義務」に基づくものになります。

つまり、子供を育てていない方の親と同じくらいの暮らしが出来るようになる金額を支払う義務があり、もっと言うと「余裕があれば支払う」類のものではないという事になるのです。

そんな養育費の支払い方法についてですが、基本的には離婚する夫婦同士の間で取り決めてから、その取り決め通りに支払うという形になります。

ですが実際の所、離婚時に養育費に関する取り決めをしていない世帯数は、54.2%と半数以上にものぼります。「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告より(厚生労働省)」

そして当然といえば当然ですが、取り決めを交わしていない世帯の方が、養育費を貰えていない割合が高いという数値も出ています。

養育費に、支払い能力の有無は関係ない

では、どうして養育費に関する取り決めがなされていない事が多いのかと言うと、一番多い理由としては「相手に支払う能力がないと思ったから(22.3%)」という理由が挙げられます。しかし、先述の通り元々養育費というのは支払える時に払うというものではない筈なのになぜこのような事になってしまうかというと、日本の離婚の仕組みそのものに原因があります。

というのも、こちらも前述の厚労省の資料によると、日本の離婚のほとんどが「協議離婚」によるものだからです(80.5%)。協議離婚とは、夫婦間の話し合いによってお互いに離婚届を出すのみという離婚方法の事を指します。それに対して世界的に主流なのは、裁判所を通じて離婚を行うといういわゆる調停離婚、裁判離婚と呼ばれる形になります。

家庭裁判所を通した調停離婚の場合には、離婚調停中に養育費に関する取り決めを行う事も出来ますし、万が一相手がその取り決めに違反した場合には「家庭裁判所による履行勧告・履行命令手続き」や「地方裁判所による強制執行の手続き」を行う事も可能となります。

離婚した後でも、養育費を請求できる

そして離婚をした後の場合でも、「養育費請求調停」を裁判所に申し立てすれば、改めて離婚調停を行う事も出来ますので、そうした形で取り決めを交わしておくという事が非常に重要となります。もちろん夫婦間での口約束や、書面をお互い交わしての合意というのも可能ですが、前者の場合は言った言わないの問題になりやすいですし、後者の場合はどちらかが違反した場合にすぐに強制執行する事は出来ず、民事裁判所に申し立てをする必要が生じるので注意が必要です。

再婚しただけで、養育費を減額・免除されるわけではない

では、そんな養育費について気になるのが「再婚したら養育費って貰えなくなるの?」という疑問です。

イメージとしては、再婚したら養育費は貰えない、と思われがちですが、実はそうではないのです。

再婚した時点では、子供を育てていない側の養育費の支払い義務はなくならず、取り決め通りに支払い続ける必要があります。ただしこれはあくまでも、再婚したのみの場合です。

養育費減額のポイントは、養子縁組の有無

というのも、新しい父親と子供が「養子縁組」を結んだ時点で、法律上の親、つまりは養父の側にも扶養義務が生じます。つまりは実父と養父の両方に、子供を扶養する義務が存在する事となるのです。

ではこうなった場合にどちらの義務が優先されるのかですが、判例では「養父」の側の義務の方が優先されるという事になっています。

ですが、養子縁組を結んだからといって自動的に養育費が減額されたり免除されたりする訳ではなく、実父の側が養父の側の負担を求めて、家庭裁判所に養育費減額の調停を申し立てれば、そうなる可能性が高いという事です。

再婚して養子縁組を結んだとしても、実父の側の扶養義務が消滅したわけではありません。例えば養父の側にあまり経済的余裕がなければ、元夫は今までと変わらず支払い続ける必要があります。

また、再婚後に元夫からの養育費の支払いがなくなったものの、その後再度離婚してしまった場合には、養育費の支払いを再度請求することが可能となっています。

» 普通養子縁組と特別養子縁組との違いは?

元夫(非親権者)が再婚した場合、養育費が減額されるケースがある

そして逆に、子供を育てていない側の夫の方が再婚した場合についてですが、実はこの場合も、養育費が減額されるケースというのが存在します。

元夫が再婚し、現在の家庭の生活費と養育費を併せた費用を捻出するのが難しく、これを裁判所に申し立てて認められた場合には、養育費が減額される余地があるのです。

ただしこれもあくまで可能性の話ではあるので、その時々の状況によって減額されるかどうかは変わってきます。なので、元夫が再婚したからといって、必ずしも養育費の支払いがなくなるという事にはなりませんのでご安心ください。

シングマザーで養育費が貰えないケース

では最後に、養育費が貰えないケースがあるのかどうかについてです。

これも先述の通り、養育費の支払いというのは子供が成人するまでは生じる「義務」となります。なので仮に、養育費に関する取り決めが交わされていなかったとしても、支払う義務がないのではなく、あくまで支払いに関するルールが定められていないだけです。その後裁判所に申し立てられてルールが決められれば必ず支払う必要が生じます。

未婚シングルマザーの場合、元夫に認知されないと養育費がもらえない

ただし一点、この扶養義務が生じないケースがあります。それは未婚のシングルマザーの場合です。つまりは事実婚状態で子供を産み、その後別れてしまった場合には、その時点では夫の側に養育費を支払う必要はないのです。この場合はまず、夫側に「認知」をして貰う必要があります。認知とは、法律上の父子関係を明らかにする事を言います。

もしも夫側が認知しない場合は、家庭裁判所で「認知調停」を行わなくてはならず、そこで相手側が認知に応じた時点でようやく、扶養義務が発生するのです。ただし調停でも応じない場合は、今度は認知裁判を行わなくてはならず、費用も時間も非常にかかってしまいます。

そうして認知してもらってから初めて、養育費に関する取り決めを交わすのですが、こちらでも場合によっては養育費調停を行う必要があります。このように非常に時間と手間はかかってしまうのですが、未婚のシングルマザーの場合でも養育費を支払って貰う事は可能なのです。

» 未婚シングルマザーが婚活する際の注意点

まとめ

以上が再婚と養育費に関してのお話です。養育費とはもともと、子供がいれば必ず支払わなければならないものとなります。その事を知らなければ、相手に良いようにされてしまい、場合によっては再婚に二の足を踏んでしまうなんて事もあるかもしれません。そうならないように、きちんと養育費に関する知識をつけて、よりよい再婚を目指していきましょう。