日本では、年間20万組を超える夫婦が離婚しています。
子供のいる夫婦の離婚であっても、ひと昔前と比較すると女性の社会進出が増加してきた事を背景に、シングルマザーでの子育てに踏み切る方々も増えてきています。
これだけ離婚という道を選択する人がいるのですから、「もう一度違う相手と再婚して幸せになりたい」と思う方も多いはず。
そこで今回は、離婚してから再婚するまでのベストな期間について色々な角度から見ていきたいと思います。
人はどんな時に再婚を考えるのか
よく、離婚は結婚の3倍のパワーが必要などと言われます。幸せに向けて準備をする結婚では、役所関係を回っての手続きや親戚関係への報告も楽しく思えますが、離婚のそれは面倒で億劫なものです。そんな辛く大変な思いまでして離婚したけれど人はなぜまた結婚(再婚)しようと思うのでしょうか。まずは離婚を経験した人々がどんな時に再婚を考えるのか考えてみます。
一人でいる事に耐えられなく、寂しいと感じた時
離婚すれば実家に居住する場合を除いて大抵が一人での生活が始まります。今までは、仕事を終えて家に帰れば温かい空間と家族が待っていたわけですが、一人の場合は暗く寒い部屋に帰るわけです。人間はギャップや差に弱い生き物です。過去の辛かった離婚の記憶を現状の寂しさが上回る。こんな時、再婚したら変わるかな?と思い始めるのかもしれません。
再婚したいほどに好きな人ができる
結婚や再婚には当たり前ですが相手が必要です。離婚の傷も癒え、前向きに生活をしている時に出会った素敵な異性。この人なら今度こそは…そう思える人に会えた瞬間も再婚を考えるタイミングです。
経済的な不安や将来の事
離婚して一人になれば、大抵のことは自分の好きに決める事ができ自由な生活が待っています。しかし裏を返せば、支えてくれる人がいない為、全てを自分で解決する必要が出てきます。精神的な悩み事や経済的に困った場合でも一番近くに相談できる相手がいません。老後を一人で迎えるのが不安だという方も多いと思います。そんな時、近くに旦那さんや奥さんがいたら…と思うのは当然の事なのかもしれません。
離婚してから再婚するまでの期間
ここからは、離婚経験者が再婚をしたタイミングについて、実際のデータを基に確認していきます。
次に記載するデータは、平成27年の人口動態調査における再婚するタイミングから抜粋したものです。
再婚までの期間 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
~1年 | 15.7% | 12.9% |
1~2年 | 12.8% | 12.5% |
2~3年 | 11.2% | 10.9% |
3~4年 | 9.4% | 9.3% |
男女別に分けてみています。1~2年以降では男女でそれほど差がないのに対し、1年未満のところだけ男女に若干の開きがあります。この数値には明確な理由があるのです。次の項で詳しく見ていきたいと思います。
女性の婚姻禁止期間
女性には「婚姻禁止期間」というものがあります。その制度が設けられているため、前項では離婚後1年未満での女性の再婚が男性に比べ少なかったと言えます。この制度は、民法733条で定められている法律です。ではなぜ男女共にではなく、女性だけにこのような制度が設けられているのでしょうか。
婚姻禁止期間を設ける理由
その理由は、簡単に言うと女性が妊娠した場合、父親が前夫なのか現夫なのかを明確にし、起こりうる紛争を未然に防ぐ事を目的としているからです。母親としては、自分が子供を産めば胸を張って自分の子供だと言う事が可能ですが男性はできません。要は「誰が子供の父親なのか?」という部分をはっきりさせるためにある法律なのですね。しかし、男性は離婚の翌日から再婚できるのに女性が出来ないのはおかしいといった男女不平等説や、確実に妊娠していないのになぜ?という疑問も出てきます。
2016年の民法改正で、婚姻禁止期間が100日に短縮された
そこで政府は2016年6月に民法を改正しました。婚姻禁止期間そのものがなくなったわけではないのですが、期間が6か月から100日に短縮され、離婚時に妊娠していない場合(子宮の全摘出など)は100日以内に再婚が可能となりました。他にも離婚した相手と再婚女性の年齢が還暦を過ぎている事や前夫との離婚理由が夫の3年以上生死不明であった場合、離婚前に妊娠が判明しており出産した後の再婚であれば認められるケースもあります。
離婚後300日以内に出産した子供は、前夫の戸籍に入る
しかし、改正前後で変わらない点があります。それは女性が離婚後300日までに出産した子供は前夫の戸籍に入るという事です。また婚姻禁止期間があけてすぐに再婚した場合、再婚から200日以内に出産した子供も前夫の戸籍に入ります。新しい夫の戸籍に入るためには、離婚から300日経ってから出産をすることが必要です。
再婚に適したタイミング
再婚をするタイミングですが、男女問わず離婚直後の再婚は、できる事なら避けた方が良いと言えます。
自分の親や相手の親、友人関係なども含めて言える話ですが、あまりにも早い再婚は、どうしても周囲に厳しい目で見られる事が多いです。
もしかしたら、離婚前から関係があったのではないかと疑われたりすることもあるかもしれません。
離婚直後の再婚で周囲への報告の時間があまりなく、離婚と再婚の報告が同時になってしまったりすると、より疑われる可能性もあるでしょう。
離婚から半年以上は空けた方が無難
では再婚のタイミングとして、最も良い時期はいつなのでしょうか。
離婚してからある程度の期間(半年~1年以上)を経て、再婚をするのが無難です。
半年以上期間をあければ、自分の考えを整理することができます。
男性には婚姻禁止期間はありませんが、男女共に、常識的な期間を経過するのを待って再婚する事が望ましいかもしれません。
まとめ
今回は再婚するタイミングについてみてきました。
婚姻禁止期間など、細かい法律が整備されている事に驚いた方もいるかもしれません。
最終的には、本人たちの意志が一番重要である事は変わりません。
過去の失敗を振り返らず、幸せな未来を目指す気持ちが一番大切です。